「さ、最低!!」

「上等。」

彼方君は顔色を一切変えないまま・・・

「か、帰る!!」

そのまま出口に向かって走る。

彼方君が何考えてるのか意味わかんないよ・・・

キスしてきたり・・・

“お前は俺のモノだろ?”なんて。

自分がちょっと、いやかなりモテるからか知らないけど、私は絶対騙されないんだから!

「もう、会いたくなかった・・・」

騙されないのに、騙されるわけないのに・・・私、変だ。

キスされたくらいで動揺して彼方君のことしか考えられなくなるなんて・・・

「あれ?柚は?」

「あいつなら先帰るって。」

「えぇ!?カバンまで置いて?」

会いたく・・・なかった。