「矢崎さんが青山用に書いてくれたメモだ。
その辺に捨てずに、事務所のシュレッダーで処分してくれ。」

「分かりました。」

難波さんの荒い運転の中、俺はメモを読んだ。

["Clear"の特性すなわち、"透明人間"である。
特性保持者の意思により、その姿を"透明化"させる。
だが、開花のきっかけに"心因的要因"が多い為、
非行や犯罪に走る者が多く捕獲データは少ない。]

"透明人間"とゆう言葉はいつ頃出来たのだろうか?

昔、そんな映画を見た事もあるが、現実で容疑者となると確かに厄介だ。

「捕獲の仕方を考えなきゃな!
ちなみに俺も烏丸もパワータイプだが、
案くらいは色々出せる。な!烏丸。」

フロントミラーでいつもより険しい表情の俺をふと見た難波さんが朗らかな声で言う。