「じゃあ、あとは頑張ってね」


光原先輩は寂しげに笑ったかと思うと、私の頭をぽんぽんして。


「もっと早く関わり持っていたら良かったのになぁ」

「えっ……」
「唯香ちゃんともっと仲良くなれた気がする」

「でも、まだまだこれからも時間ありますよ!
光原先輩が良ければ、ぜひ仲良く……」


そこまで言いかけたところで、光原先輩は自分の唇に人差し指をあてて、『静かに』という合図をした。


「……えっと」

「それ以上は言ったらダメだよ。

もしこれからも仲良くできたら、俺は嬉しいけど彼が黙ってないだろうからね」


彼……とは、健斗のことだろうか。