「……嫌です」
「それは健斗くんが好きだから、だよね?」

「はい」


だから嫌だ。
健斗が他の女子とって、考えただけでも。


「じゃあ健斗くんが唯香ちゃんのこと好きだったら、俺といるのを見ると嫉妬するだろうね」

「嫉妬……」


じゃあ健斗が嫉妬したら、もう信じていいのかな。
両想いだって、ことを。


「あ、噂をすれば」


光原先輩の視線の先を辿れば、反対方向から自転車で登校する健斗の姿があった。


すると健斗はふとこちらを向き、目が合う。

健斗は一瞬目を見開いた……かと思うと、私から視線をそらして門を通ってしまった。