秘密にされると余計に気になるのが人間。


その日、あっくんと並んで帰った。



「あっくんさー、好きな人だれよ?」

「えー?気になんの?」


あっくんは、ニヤニヤしながこっちを見る。


「そりゃ気になるよ!」

「んー。どうしよっかなー?」


そう言ってスタスタと私の少し先を歩き出す。



「なーにー?だーれー?」



少し大きめの声であっくんに問い掛ける。
あっくんはあたしの方を振り返った。


思わず、あたしも立ち止まりあっくんを見て「ね、だれ?」と。


しばらく続いた沈黙を破ったのはあっくんだった。



「はる。」

あっくんはそう言って私を指差す。


思ってもない答えに、私は言葉も出ず、指された指先を見つめてた。