あの出会いから何度もデートを重ね、キスをして、お互いの家に行って、いろんなことをした。



同じ高校生だと知って驚いたり、近くの、超がつくほど有名な学校に通っていると聞いて尊敬したり。



完璧に、幸せまっしぐらだった。



……そして、今。



まだ風が冷たいこの季節、外で待つのは凍えちゃうくらいさみしかったけど、そわそわ待つのも楽しくて。



わたしの学校は校則がきついから、携帯電話の持ち込み禁止。



学校にいるあいだ、連絡がとれないのは悲しい。



漫画や小説の世界である、バレないようにこっそりメールのやりとり。……なーんてことはできないけれど。



週に2日、わたしがくーちゃんの学校に来て、一緒に帰っている。それで満足だ。



「遅いなぁ」



唇を開くと、乾燥した皮膚が、がさがさと傷んだ。