「…?」
美里は誰?と言う顔で龍輝を見つめていると…―
「…しょうがないから一緒に遊んでやるっ」
「…え?
あ、うん…」
何がなんだか分からなかった美里はただ返事をするだけだった。
ミーン ミンミン…
蝉の合唱の中、美里と龍輝は2人で楽しく砂場遊びをしたり、ブランコに乗ったりした。
周りの子が冷やかしても恥ずかしがらずに…
「…ねぇ…名前なんて言うの…?」
…すっかり日が暮れて、オレンジ色をした太陽が昼間の太陽と交代していた。
湖に映っている太陽はキラキラ輝いててとても綺麗だった。
「…龍輝」
「…え?」
「…だから龍輝だっつーのっ!!
…じ、じゃーな」
自分の名前だけ言うと龍輝は走って帰っていった。