何も理由を聞かなくても、
普通に接してくれる奴らがいた。


ただ単純に俺は驚いた。



李「あ、あれなら乗れそうだけど、行ける?」



途端に李利がとある方向を指差した。


まるでメリーゴーランドの馬を飛行機に変えた、
おそらく小学生が喜びそうなやつ。



桜「あぁ。水のおかげで少しよくなった。ありがとな」


徠「律佳、お前は?」


律「うん」



俺たちは李利の示したアトラクションに向かい、
それぞれ思い思いの飛行機に乗り込んだ。


高校生でも普通に乗り込めるくらいの大きさで、
俺は青色のを選んだ。


徠は緑、李利は赤、律佳は黒だった。



「それでは、優雅な空の旅へ行ってらっしゃい!」



管理員の声と同時に飛行機が右回りへと
ゆっくりと動き出した。


それとない風が心地いい。


見渡せば、そこまで高くないけど上昇しているのが
景色を見て分かった。


広い遊園地内がちょっとばかり、小さく見えた。


数分間回り続けて、ゆっくりと降下していき、
初めて乗ったアトラクションは終わりを告げた。


飛行機から降りて、出口に向かうと、
同じアトラクションにいた人たちが一斉に出口へと
向かって来、俺はその波に呑まれた。



桜「わっ!」



ゾロゾロと出口外へと運ばれ、気づいた時には
周りには誰もいなかった。


...え、俺、もしかしてはぐれた?


高校生にもなって迷子って...。