徠「ホレ!」


桜「わっ!」



俺は桜舞に買ったばかりのパンを渡した。


俺の1番好きなパン、焼きそばパンだ。


桜舞はマジマジとパンと俺を交互に見て呆れる。



桜「だからいらないって言っただろ?」


徠「いーだろ。てか、もう買っちゃったし。
どーせなら、食ってから教室戻ろうぜ」



俺はそう言いながら、
桜舞を引き連れて食堂近くにある広場のベンチに座った。


桜舞は驚いて辺りをキョロキョロ見回した。



桜「こんなとこ、あったのか」


徠「あれ?知らなかったか?」


桜「食堂にはあんまり来ることがないって言ったろ」


徠「そうだったな。ホラ、食えよ」


桜「...さ、サンキュ」



桜舞は俺の隣でそっぽ向きながら
恥ずかしそうにそう言った。


素直じゃねぇなぁ...。


とは思いつつも俺は嬉しくなってニヤッと笑っていた。



桜「美味...」


徠「だろ?俺のイチオシなんだよ、それ。
たまに律佳に食わせてるけどさ」


桜「食わせてるって...」


徠「じゃねぇとあいつ、ほとんど何も食わねぇからな」


桜「だからって食わせるは不味いだろ...」