「あらいらっしゃい!」


徠「おばちゃん、こんちは」


「はい、こんにちは!」



食堂前にいる通称売店おばちゃんは
その日仕入れてくれるパンやジュース、唐揚げとかを
売っている人だ。


たまたま玲空たちと散歩してた時に出会って、
俺は毎日のように通っている。


おばちゃんの売るものはどれもうめぇから。


たまに律佳にも買って帰る。


あいつ、俺が言わなかったら
ほとんど何も食おうとしねぇからさ。


俺、兄弟多いからそういうの、
なんか気になっちゃうんだよな。


特にあいつらなんかは。



「今日はいつもの子たちとじゃあないんだね?」


徠「おう、まぁな」


「そーかいそーかい!こんにちは!初めて来たかい?」


桜「...っ!俺、端にいるから」



おばちゃんに話しかけられると桜舞はビクッと震えて、
ボソッとそう言うと、
食堂から離れたドアの傍でうつむいて立った。


俺は驚いて桜舞を見つめた。


俺と話したり、玲空や李利たちと話したりする時とかは
あんなことならねぇのに、どーしたんだ?


俺は目をパチパチさせながらも
おばちゃんにパンを選んで会計をしてもらった。



「毎度あり!また来てな!」


徠「おう!...待たせて悪かったな、桜舞」


桜「いや...俺の方こそ」