俺は嫌そうな顔をする桜舞の手を引っ張った。


桜舞は嫌々ながらも俺についてくることを決めたようで、手を離してから少し距離を置いて歩いていた。



徠「何買おうかなー」


桜「ったく...」


徠「桜舞、ここのオススメとかあんのか?」


桜「買ってことないから知らない」


徠「えっ、お前、食堂の飯買ったことねぇの」


桜「な、なんだよ。悪いかよ」


徠「いや、悪くはねぇけど...。
そんな奴がいるんだと思ってさ」


桜「いるだろ、お前の真横に」


徠「それもそーだな」


桜「照に連れ出されて何回か来たことがあるだけだ。
自分から来ようと思ったことは無い」


徠「へぇ。じゃあ食堂に関しては
俺の方が先輩ってわけだな」


桜「なんだよそれ」


徠「俺の好きな奴教えてやるよ。
付き合わせてるし、なんか奢る」


桜「は?いいよ、別に」


徠「そういうわけにもいかねぇだろ?
なんか俺が気にしちまうからさ」


桜「知るかよ...そんなこと」