私がおろおろしていると、
「どうしたの?美穂、」
ユリが心配したように声をかけてくれた。
「あ、あのね……もしかしたらなんだけど、海斗くんが今日も図書室来るのかなーなんて思ってて…またねって言ってたから…」
私が途切れ途切れに話すのを、ユリはちゃんと聞いてくれる。
「うんうん、それで?」
「へ?」
「それで、美穂は?どう思うの?」
「え…えと……行きたいな…って…」
自分で言ってて恥ずかしくなってくる。
「じゃあ、行ってくればいいんだよ!私のこと気にかけてくれてたんでしょ?大丈夫だから行ってきな!」
ユリは笑顔で、そう言ってくれた。
「あ、ありがとう…!」
そう言って、私は教室を後にした。