私、白石美穂は本が好きで、毎週火曜日と金曜日に図書室に行く。
ここの学校では図書室、というと大体新しい第2図書室のことを指す。
第1図書室は埃の匂いが立ち込めていて、生徒にも先生にも不人気の場所。
…私は落ち着くんだけどね。
ユリと居るのも楽しいが、1人で本に囲まれているのも楽しい。
ユリ以外の人は、私が第1図書室に行くことを不思議に思っている。
でもユリは気にせずに一緒に居てくれるから、嬉しいなぁ、と友達の大事さを改めて感じる。
第1図書室に入り、カウンター席に着く。
カウンター席には20年前の貸出名簿が置いてある。
ここに書いてある本を探して読むのが、私の本の選び方。
「今日はー…これにしようかな。」
本棚から可愛らしいネコの本を見つけ、カウンターに戻る。
これを借りた人はもう大人だろうけど、この頃はどんな気持ちで読んだんだろう?
それを考えるとワクワクする。
そう思いながら本を開こうとすると、
ガラッ