【オスカー、ヴォルフが食べるものは……】

「ヴォルフは死肉を食べるそうだ」

「しっ……!?」

ティアナの口の動きをアレクシスが読みそれをオスカーに伝えると、オスカーは顔をひきつらせて固まってしまった。

「さすがに王宮で用意するのは難しかろう。
ヴォルフは森で好きに食べてくるらしい」

「そ、そうですか……。
よかったです……」

用意しろと言われなくてよかったと、ありありと伝わるその表情に三人は苦笑した。
オスカーは良くも悪くも考えていることが表情に出やすい、だからこそ怪しく思われクリスティーネの思惑に早くたどり着いたのだが、よくこのオスカーを使って情報を集めようとしたなと少し呆れもしてしまった。

「では、僕は他の動物達のご飯を用意してきます」

「じゃあ、俺もそれに付き合わせてもらおうかな。
最近やっと懐いてきてくれたみたいだし」

やっと起き上がったユアンはオスカーと話ながら動物達の餌やり場に向かっていく。
残ったアレクシスはまだ座ったままのティアナの隣に座ると、寄ってきた動物の頭を撫でた。