ここまで書いて、ふと筆が止まる。


ケンカしたことは、はっきり覚えてるのに、入学式のことなんて覚えていない。

それが当たり前なんだろうなぁ、きっと。

人生においてイレギュラーなことはたくさん覚えていられるのに、みんなと同じの"ただの日常"ってあんまり覚えていられないんだね。



そんなことを考えながら、私はまた筆を進める。


記憶を必死に手繰り寄せながら。