「ごめん!俺、先に帰る…!本当にごめ

ん!」

そう言い、佐久間くんは振り返りもせずただ

真っすぐと走っていった。

私は、その時ただ佐久間くんの背中を見てい

ることしか出来なく、デートは呆気に取られ

ているうちに終わった。

私は、背を向けて一人夕日に照らされながら

歩いた。

『早希!!!』

私は、その言葉が忘れられなかった。

あの名前を聞いた瞬間、私の自信を一気に打

ち砕かれたような音がした。




『貴方の一番は私ではないのかな』