「んー!楽しかった!」

辺りは夕日に照らされていて、親子連れの人

たちが水族館から次々と去っていく。

「もう、閉店の時間だし…。そろそろ帰ろう

か。」

「そうだな。」

私は、繋いでいた手を強く握った。

「……?まだ、帰りたくないか?」

私は、少し顔を赤くし、顔を反らしながら軽

く頷いた。

子供ってぽい事して、佐久間くんに軽蔑され

ないかな……。

でも、今はまだ家に帰りたくなかった。

なぜだか、分からないがあの時暗い顔をした

理由をどうしても聞きたかったから……か

な。