「何が視えたんや?」

「亡くなった子、"何でここに?"って。
自分がそこにいる状況を突然知った感じだった。」

「意識失ってて、目覚めたとかかな?」

本田刑事が擦りながら一緒に考える。

「いや…防波堤の端に指先を引っ掻けて、ぶら下がってるような状況でした。意識失ってたのは考えにくいんです。」

だけど俺にはある予想が付いていた。

「あの女子高生達の1人に、"魔性"の特性を持った子がいるんです。」

本田刑事は目を丸くして、烏丸と目を合わせた。

「あー、"魔性"の特性は簡単に言うと相手をメロメロにしたり、行動をコントロールしたりするんすわ。」