「びっくりしたなあ、いらっしゃい」



奥から出てきたのは、若い男の子。


もしかしたら、私と同じくらいの年かもしれない。



「君、どうしてここに?」


大きな声は出せても、所詮コミュ症。

いきなり顔が熱くなるのを感じた。



「えっ、と…迷ってしまって…」


その人は何かを理解したかのように「ああ」と言って話し出す。


「君は、森に迷い込んだってことだね。理由は知らないけど。」



精一杯に頷く。