思えば当然だ。ここまでずいぶんと歩いてきている。


それも、目印も何もつけず、思うままに歩いてきているのだから。


ハッと何かを閃いたように携帯を取り出す。


「うそ…圏外…?」

ありえなかった。


ここは森とはいえ位置でいえば都会の真ん中にあるはずだ。


そんなにもこの森は広いのだろうか。



学校帰りの私には帰る術は何も無くなってしまった。



「どうしよう、こんな所来なきゃよかった。なんで森に入ろうなんて…」