…ただの森だと思って油断していた。


思った以上に暗く、ひんやりとしている。



勇気をもらったあの空も、うっそうと茂る木で見えなくなっていた。



だいぶ歩いたが、特に何も見つからない。


暗い空間が見渡す限り果てしなく続いているだけだった。



いくら運動に少し自信がある私でも、校門から走ってここまで来たのだ。


とっくに体力の限界は来ていた。


諦めて、折り返すことを決めた私は「はあ」と一息ため息をついて、後ろを向く。

しかし…


「え…?ここ、どこ…」