私の住んでいるところは、東京には負けるにしても都会であることは確かだ。



生まれてこのかた、目の前で森を見たのは初めてである私にとって、それは興味の塊でしかなかった。


しかし、恐怖の対象でもある。


初めて会う人に警戒心を覚えるのだから、初めて見るものに恐怖を抱くのも当然と言えるだろう。



だが、この快晴の中、悪い事が起きるとはそうそう思えなかった。


自分のどこからこんな勇気が湧いたのかはわからない。


でも、気づいた時にはすでに足を踏み入れていた。