しかし、放心状態でいても仕方が無い。


まずは状況を掴もう、そう思った。

「私、白。三神 白。」


幼い私が答える。



「ふーん、ハクって、どうやって書くの?」


「えっとね、色の、白って書くんだよ!」



「そうなんだ、じゃあ、僕はシロって呼ぶね!いいでしょ?」



(あ…)


空は、この時の会話を覚えていたんだ。



私が空のことを覚えているか、改めて知りたかったんだ。


そう気づいた瞬間、申し訳ないような、嬉しいような複雑な気持ちになった。



「あなたは…?」


「僕はね、空。西條(さいじょう) 空だよ!」