「次。」


そう言って空は、脚立を時計の目の前に持ってきた。



またゆっくりと登っていく。


時計の針が目の前に来た高さ。

すると空は、いきなりすべての針を取り外したのだ。


「え、とるの?」

つい思った言葉がそのまま出てしまった。


「見てて」


空は針を口にくわえ、時計の上に乗った。


次の瞬間、バキッと鋭い音がした。

なんと、取り外した短針を時計に刺したのだ。


「そんなことして大丈夫!?」

またもや思ったことをそのまま言う私に、空は


「安心して、大丈夫」と一言。



長針だけをくわえ直し、そっと時計から降りてまた脚立に移る。