あんなに暗くて、怖くて、冷たかった森が、何故か今は明るく暖かく感じた。


それを空に言うと、空は今までで一番嬉しそうな顔で、「そっか。」と言った。



出口には思ったよりすぐ着いた。


ちゃんと道を通ればこんなに速いのに、自分のことを改めてバカだと思った。


「ありがとう、空」


空は寂しそうな顔で言った。


「うん。あの、さ」


空の口からその続きは出てこなかった。

寂しそうな顔から見て、もしかしたら、と思った。


「空、また来てもいいかな?」


空は驚いたような、でも嬉しそうな顔をした。

「うん、待ってる。」