リンゴをむいて戻ってくると、私は言葉を失った。

こう君が吐いていた。苦しそうに何度も何度も。

「こ……こう君…?今救急車呼ぶね!!」
私は自分でも信じられないくらい手早く救急車を呼んだ。
ご両親にも連絡した。

「こう君…………」


私は救急車が来るまでこう君の背中をさするしかなかった。