いや、違う。私は友達思いなんかじゃない。

いつの間にか薄っぺらい同情が気にくわないというていで日々の憂さ晴らしを弥生にしていたただけだ。
薄っぺらい同情が気にくわないのは事実だったけど。

「ごめんなさいっ!」

私はこれでもかというくらい頭を下げた。

「気にしないで、」

悲しそうに笑う弥生。
その笑顔が逆に私を苦しめた。

「とにかく、学校で待ってるね!」

弥生はそう言うと病室を出ていった。