「あーちゃん」

聞きなれた声が耳に響く。この声はもしかして………
頭で考えるより先に体が走り出していた。

「こう君!」

そこにたたずんでいるのは、間違いなくこう君だった。

「あーちゃん」

こう君がニッコリと微笑む。

「こう、君………。」

笑って手を握ろうとしたのに、涙が溢れてくる。こう君は泣きついている私の背中を優しくさすってくれたのでした。