「………………………ちゃん」

何かがぼんやりと聞こえる。私は薄く目を開けた。
何も見えない。
もっと目を開ける。

そこには墨汁で染めたような暗闇が広がっていた。

いや、 一ヶ所だけぼんやり光っていた。この黒とは対照的な白くて淡い光。

他に目印となるものがないのでその光を目指して歩いた。その光に近づくに連れて原型がわかってきた。

あれは………人?