私はその背中を呆然と見送った。
大事な人が死ぬかも知れない、もう会えなくなるかもしれないという状況をあの看護師は味わったことがないのか。
それとも、当たり前のように人が死んだりするこの病院に長いこといたから感覚が麻痺したのか。
私にはわからないが、これだけはわかった。

こう君が危ないということ。


『ねーねー、あーちゃん、約束しようよ!』
『なぁに?』
『えっとね、………』


ふいに、私の頭のなかに前みた夢の内容が流れ込んできた。
でも、いつもここでテレビの電源が切られるように、プツリと思い出せなくなる。

私はいつも違和感を覚えていた。