「実は、俺も。」
坂田はこっちに顔を向けた。
本当?という顔をしながら。
「歌うのは苦手だしな。」
「私も、人前ではね…。」
割り込むように坂田が言った。
「俺も人前は苦手なんだよ!!」
そう言って笑うと、坂田も笑った。
「今日の文化祭もめんどかったんだよね…。」
あはは…と最後に笑いを足して、頭をかく坂田を見て、「俺も俺」もと自分に指をさした。
「そうなんだ!!」
また、お互いに笑い合った。
本当に俺、やっぱ坂田が好きだ。
坂田といて、つまらないなんてこれっぽっちも思わない。
逆に凄く楽しい。
「俺ら、似てないか?」
笑い終えた俺は、坂田に聞いてみた。
それを聞いた坂田は、少し黙り込んで
「そーいえばそうだね…!!」
とまた、空に顔を向けて、答えた。