「真地っ!!パスパス」


「はいよっ!」



高田 勇 にパスを渡すと、そいつはゴールを決めた。


「ナイスシュートだったぜ!!!」

そう言って、俺は勇の頭を軽く叩いた。


「いやいやー、真地のパスがよかったん!!」

そう言って、勇は爽やかな笑顔をしながら笑った。


「てか、お前モテモテだな」

そう言って、勇が横に小さく指さすから俺はその指をさした方を見てみた。



すると、近くで砲丸をやっていた女子がみんな体育の授業をさぼって、こっちを見ていた。



「「真地カッコイイ〜」」


みんな声を合わせてそう言った。


「はぁ〜〜」


そうため息をつきながら、俺は勇を悲しい目で見つめた。



「そんな顔されても困るわ…」

本当に困った顔をしながら勇は頭をかいでいた。



「伊藤は本当にモテるんだな〜〜〜」


サッカー担当の先生が笑いながらこっちに向かってきた。



「ストレスっすよ?」

そんな先生を俺は迷惑そうに見た。


「まぁーいいじゃないか!今がお前のモテ期なんだ!!!さっみんな、授業に戻るぞっ!!」


そう言って先生は手をパンパン叩いた。


「真地、行こうぜっ」


勇が走りながらそう言った。


「おー待てって」


すこし、女子の方に視線を向けてみた。



坂田がいない……


目を動かせて探してみると、坂田は女子の後ろの方で、砲丸担当の先生と楽しく話しているのが見えた…




『俺を見てなかったのか…』


他の女子はどーでもいい
坂田だけでいいから




坂田が俺を見てほしかった。