優香『ねぇ。なんかある、あいつ。』
今は慧希に連れられ、私達は屋上。
慧希が言いたいことあったんだろーけど、着いてから息もつかず、口を開いたのは私。
あの後、一応自己紹介をして、打ち解けた。
いや、打ち解けたのは表面上だ。
本当はみんな気づいているはずだ.......。
綺人の瞳に光がないことを.......。
あの、笑顔が貼り付けなことを.......。
來「あぁ、アレなんかあるな。」
慧希「俺も同感。來、一応調べられるか?」
來「ん。」
結翔「うん。それもだけど.......」
ん?気まずそうに結翔が口ごもった。
優香『どした?結翔。』
結翔「あ、いや。」
樹来「慧希だろ?なんか誰かに聞きたいことがあんじゃねぇの?慧希。」
結翔「樹来も気づいてたんだね。」
優香『慧希が?珍しいじゃん。誰に?』
慧希「あ、あぁ、」
フゥと息を吐き、目線を俺に合わせてきた。
慧希「優夜。いや、優香。あいつに何かあんのか?」
優香『...ッッ!!』
言葉がでないとはこの事だろう。
思わず、慧希から目を逸らした。
心配する瞳からは凛とした光が見えて。
映ったのは困惑した色の自分の瞳。
慧希の純粋な瞳には、全てが見透かされそうで。少し、少しだけ。
.......怖かった。