ずっと憧れていた高校生。
出席番号順で決められた席の後ろの女の子は、少し…いや、かなり変な子だった。
「ねぇ、笹原さん!次移動だよ!」
「存じています」
「笹原さん!学校の近くにオープンしたカフェがあるんだけど…」
「そうなんですか」
「笹原さん、部活どうするの?」
「…?どうするも何も、本校は部活に入るのは強制と聞いておりますが」
…嫌われているんだろうか。
他の子達とはすぐに仲良くなれたのに、笹原美月さんとはなかなか仲良くなれない。
「さやか、また笹原さんにちょっかい出してるの?」
「もうやめなよ〜、1人がいいんじゃないの?」
中学から一緒でクラスも一緒になれた鈴花と優奈は笹原さんと仲良くなることを諦めている様子。
「琴坂ってすげぇなー。俺ら話しかけてみたけどすっげぇ怖くてさぁ。もう心折れたわ」
「あれは観賞用だな。美人だけど彼女にとかは無理だよな」
隣の青山と青山の後ろの伊藤も諦めてる。
「ちょっと!笹原さんいないからって何言ってんの!笹原さんはきっといい子だよ、だって可愛いもん!」
「…さやかって本当可愛い女の子好きだよね」
そう。私は可愛い女の子が大好きなのだ。
クラス一の美少女・笹原美月さんと絶対に仲良くなる。入学直後に決めたこの目標、絶対に達成してみせる!!
そう心に決めていたのだが…
予想以上に彼女は変だった。
現代文の授業中。
「ここの筆者の気持ち…笹原、わかるか?」
「筆者の気持ちは筆者にしか分からないので、私には分かりません」
…想像しろってことだよ。
英語の授業中。
「中学範囲の復習です。今日どのようにして学校に来ましたか?
今日は10日なので…笹原さん」
「7時11分に家を出ました。そして〇〇駅まで徒歩で向かい、7時23分に到着しました。7時28分発△△行きの電車の2号車、1号車の方から数えて2番目のドアから乗り、優先座席の前の座席に座り……」
…電車と徒歩だけでいいと思うよ。あと英語で答えるんだよそれ。
数学の授業中。
「お前ら4桁×4桁の掛け算どれくらいのスピードでできるんだ?ちょっとぱぱっとやってみてくれよ」
唐突な先生の悪ふざけに、まだ高校に慣れていないクラスのみんなは慌ててシャーペンを握った。
「あれ、冗談だったんだけどみんなやる気じゃねぇか。じゃあ解けたら挙手な。
3459×2638は?」
慌てて筆算をしようとした瞬間。
「…え?解けたのか?」
「はい。9124842です」
「暗算で解いたのか?」
「はい」
………シンプルにすごい。
そんな笹原さんは、徐々にクラスで浮いた存在になっていった。
出席番号順で決められた席の後ろの女の子は、少し…いや、かなり変な子だった。
「ねぇ、笹原さん!次移動だよ!」
「存じています」
「笹原さん!学校の近くにオープンしたカフェがあるんだけど…」
「そうなんですか」
「笹原さん、部活どうするの?」
「…?どうするも何も、本校は部活に入るのは強制と聞いておりますが」
…嫌われているんだろうか。
他の子達とはすぐに仲良くなれたのに、笹原美月さんとはなかなか仲良くなれない。
「さやか、また笹原さんにちょっかい出してるの?」
「もうやめなよ〜、1人がいいんじゃないの?」
中学から一緒でクラスも一緒になれた鈴花と優奈は笹原さんと仲良くなることを諦めている様子。
「琴坂ってすげぇなー。俺ら話しかけてみたけどすっげぇ怖くてさぁ。もう心折れたわ」
「あれは観賞用だな。美人だけど彼女にとかは無理だよな」
隣の青山と青山の後ろの伊藤も諦めてる。
「ちょっと!笹原さんいないからって何言ってんの!笹原さんはきっといい子だよ、だって可愛いもん!」
「…さやかって本当可愛い女の子好きだよね」
そう。私は可愛い女の子が大好きなのだ。
クラス一の美少女・笹原美月さんと絶対に仲良くなる。入学直後に決めたこの目標、絶対に達成してみせる!!
そう心に決めていたのだが…
予想以上に彼女は変だった。
現代文の授業中。
「ここの筆者の気持ち…笹原、わかるか?」
「筆者の気持ちは筆者にしか分からないので、私には分かりません」
…想像しろってことだよ。
英語の授業中。
「中学範囲の復習です。今日どのようにして学校に来ましたか?
今日は10日なので…笹原さん」
「7時11分に家を出ました。そして〇〇駅まで徒歩で向かい、7時23分に到着しました。7時28分発△△行きの電車の2号車、1号車の方から数えて2番目のドアから乗り、優先座席の前の座席に座り……」
…電車と徒歩だけでいいと思うよ。あと英語で答えるんだよそれ。
数学の授業中。
「お前ら4桁×4桁の掛け算どれくらいのスピードでできるんだ?ちょっとぱぱっとやってみてくれよ」
唐突な先生の悪ふざけに、まだ高校に慣れていないクラスのみんなは慌ててシャーペンを握った。
「あれ、冗談だったんだけどみんなやる気じゃねぇか。じゃあ解けたら挙手な。
3459×2638は?」
慌てて筆算をしようとした瞬間。
「…え?解けたのか?」
「はい。9124842です」
「暗算で解いたのか?」
「はい」
………シンプルにすごい。
そんな笹原さんは、徐々にクラスで浮いた存在になっていった。