もうメンタルずたぼろのまま、言われた通り手をのばす。

慎重に小さな重みが手のうえにのっかった。


……ほんとうに触れないようにしてくれてる


なにこれ……紙?

これをどうすんの?



「あけてみて」



りょうたは口をぱくぱくと動かして、たぶん、ふっと微笑んだ。

二つ折りにされている小さな紙切れを広げて……



「っぐふっ」



慌てて口をふさいだ。

お腹の底から大笑いしそうだったから。


人かオバケなのか、なんの生き物か分からない絵。

しかも暗闇で光るタイプのペンでぇぇっ……ふははっ



「……っ」



そんな面白くない……のに、なんかカタチがっっ

ぅっ……ふふっ……あ、だめだやっぱおもしろいわっっ


やっと落ち着いた頃には、りょうたはもう机に顔を伏せて眠っていた。


……笑わせてくれたんだよね……ありがと


それからはあまり怖くなくなって、変わりにしばらく笑いがとまらなくなった。




気づけばあっという間に三時間目が終わり、なんと四時間目も映画の続きを見るらしい。

今は10分休憩にはいったところ。