「……あぁ……うん」
曖昧な返事になったのは、りょうたが申し訳なさそうな顔をしていたから。
「俺が案内してあげればよかったね、ごめんね」
やっぱり謝った。
この人の考えていることは、分かるようで一番分からない。
友達でもない、空はただの転入生。
ただ隣の席なだけなのに、なんでりょうたが悲しそうに謝るんだろう。
……このひと変
りょうたは高校生っぽくない、まるで年上のように柔らかくはにかんだ。
基本ハイテンションで、みんなとバカやって爆笑してる男子、って感じがするけど、ふとしたときに……あ、ほら今も。
「………」
頬杖をつきながら寂しそうに、心の底から嬉しそうに、でも胸がぐっとなるくらい苦しそうに。
感情がぐちゃぐちゃにかき混ぜられたような顔をする。
……なに見てるの?
だめだと思いながらも、りょうたの視線をたどった。
あ、……あの子。
さっき席を教えてくれた子だ。
天然ちゃんと……ひゃっ