空も……もうちょっと身長が低かったら……ってそんなの関係ないか
身長が低くなったって、ーー中身は変わんないもん。
「ここですっ!」
ぼーっとしている間に、どうやら到着していたらしい。
「あ……っありがとうございます」
今度はちゃんとお礼を伝えると、天然ちゃんはぱぁぁと笑顔を輝かせた。
「いいえっどういたしましてっ!!」
……笑顔まじでかわいい天使
光に目をやられて閉じた間に女の子はいなくなっていた。
……ほんとにどっかの妖精か?
なんにせよ危ないところを助けてもらった。
あのまま席がわからずに一人だけ入口でつったってる自分を想像するだけで寒気がする。
「迷っちゃった?」
ふいに隣からはっきり声がして、びくっと肩があがる。
わ、わすれてた。
クラスの人気者が隣の席だってこと。
“きし りょうた”
ずっとこの人の名前が飛び交ってるからいつの間にか覚えてしまった。
漢字はまだ分かんないけど。
ーーなんでこの人は空に話しかけてくるんだろう