「そーだよ?別にお前の勝手だよ?
でもそーいういい加減な気持ちで学校入っても、全然楽しくないって
俺は言いたいだけ。」
奏に言われて
はっとした。
たしかに奏の言う通りだ。あたしは奏やはるちゃと違って、何か特別な目的があって、この学校に入った訳じゃない。
結局あたしの場合、奏にフラれてしまったら、入学した意味すらなくなってしまうのだ。
でもあたしは……
「いいの!あたしはこれからいっぱい楽しいこと見つけていくから。奏にはサッカーがあるみたいに、あたしも自分の大事なもの見つけるもん。
ここに来たきっかけが、どうであれ、ちゃんとやるからには頑張るもん!」
あたしはそう、奏にはっきり言った。
「あっそ。まあ頑張れば?てかクラス表貼りだされたから、俺行くわ。帰りは勝手に帰ってて。チャリ使っていいから。」
と奏は冷たく言って、先に行ってしまった。
「……〜ッはるちゃッ……っッ……ヒック……ッ……」
「もーう。泣かないの!入学式だよ!泣いて目腫らしたら、友達できないよ?
それに七海は、……ちゃんと自分の気持ちはっきり言った。偉いよ。」
はるちゃは泣くあたしを抱きしめながら
優しく言ってくれた。
本当は奏より、はるちゃと一緒で
よかったのかもしれない。
「あたし……はるちゃが男のコだったら、絶対好きになってた。」
と冗談まじりに言ってみると
「あたしも。自分が男だったら、絶対七海のこと好きになってそう。
さ…あたしらも見にいこっか!」
「うん♪あたしはるちゃと同じクラスがいいな〜。」
「えー?本当は奏也くんと一緒がいいんでしょ?」
「……それもそうだけど、はるちゃとも一緒がいいの!」
「そーだね。」