「でさ…あたしら見ちゃったんだよね。」
ニヤっと笑って葉月が言う
「七海がさ、イケメン幼なじみくんと手繋いで歩いてるとこ」
「おめでと!付き合うことになったんだね?」
はるちゃがあたしの頭を撫でながら、笑顔で言ってくれる
「……うん、ありがとう」
「長い付き合いのあたしからしたら、やっと?ってかんじだよー」
はるちゃが冗談まじりに言う
「昨日、放課後無事に会えたんだね。
幼なじみくん、頑張って七海のこと捜してたからさ」
と葉月が言うと
「放課後…??
そーいえば七海…
あたしの家に来てくれたよね」
「あ、うん。昨日はね、はるちゃのこと心配になって
ひとりではるちゃの家行ったから……
奏が心配してくれて……捜してくれたみたい」
あたしが言いづらそうに言うと
「……そっか。
何もなかったよね?七海」
真剣な顔をして、はるちゃが聞いてくれる
「……うん!だってはるちゃには家の前で会えたし
全然大丈夫だったよ
その後、奏と会えたし」
「ならいいんだけど…」
はるちゃには
絶対昨日のこと
言いたくないよ
もうあのことは……
記憶から
消してしまいたい