「おはよう。七海!また3年間よろしくね♪」
と、はるちゃは笑顔であたしに言う。
「う…うん!よろしく。でも…なんではるちゃがこの学校にいるの??桜台学園受けるんじゃなかったの??」
桜台学園とは、このへんではかなりレベルの高い、超がつくほどのお嬢様学校なのだ。
「うーん…。途中まではそのつもりだったんだけどね。やっぱり陸上続けたくって。
陸上って言ったら、この海台高校じゃない?だからスポーツ推薦で受けたの!
あの頑固なお父さんも、ちゃんと話したらわかってくれたしね!」
「そうだったんだ…ならもっと早く教えてくれればよかったのに!」
とあたしが言うと
「いきなりの方が、びっくりするでしょ?
それに七海、あたしよりも大好きな誰かさんと、
同じ学校に入ることで、頭いっぱいみたいだったし♪」
といじわるくはるちゃが言ってきた。
「ちょっ……はるちゃ!!っッ……」
あたしは顔が赤くなった気がした。
「何?お前…誰かと一緒になるために、わざわざこの高校に変えた訳??」
いつもより低めの声で、奏が言う。
「え…?奏、なんか怒ってる……??」
「別に怒ってなんかねーよ。ただそんなことのためだけに、学校変えたお前は、本当あほだって言ってんの!!」
「!!?……なんであほって奏に言われなきゃならない訳??そんなのあたしの勝手でしょー?!」
奏が好きで、少しでも早く、幼なじみとしてじゃなくて、一人の女のコとして見て欲しかっただけなのに……
こんなこと言うなんて……
本当に奏は何も分かってないよ。