「あ、でもちょっと待って」
奏がいきなり言ってきたので、
立ち止まると
「消毒な?」
と言って、いきなり顔を近づけてきたので
キスされるっと思って
ぎゅっと目を閉じると……
チクっと甘い痛みがして
目を開けて奏を見ると
「これでアイツがつけた後は消えたな。
これは俺のモノって印な?」
と優しくあたしの頭を撫でながら
言ってくれた。
「……ありがとう。奏」
「ばーか。そんなことで礼なんてしなくていーって。
なんなら、もっといっぱい付けようか?
俺の印」
奏が耳元で、囁くように言ってきた。
「〜〜〜〜ッ奏!」
「うそうそ、なながもう少し、慣れるまで待つって」
「もう〜〜〜ッ」
こんなやりとりをしていたら、
時間が来るのは
あっと言う間で
「じゃあな、なな。明日、朝迎えに来るから」
「うん、また明日ね」
そう言ってあたしは、奏と別れ
家の中に入った。