「じゃー帰るか。家まで送ってくよ。なな」


と言って、奏が手を出してくれたので




「……うん」



と言って、あたしは奏の手を握った。





奏のおかげで
笑えるようになったのに





なぜか体の震えは止まらなくて、





握った手もやっぱり震えていた。






「なな…?手震えてる。やっぱなんかあったろ。」





「え…?だ、だから、はるちゃとちょっとあっただけで……
もう何もない……」



やばい。ばれそう。





「嘘。それ以外にもっとつらいことあったろ。大沢とけんかしたくらいで震え……



大沢……??




なあ……なな。おまえ、どこで大沢に会ったんだ?


あいつの家に行っ……?!





それ……どうしたんだ?」



と奏はいつもより声を低くして、あたしの首を指指した。





「え?」




あたしが意味がわからないでいると………






「赤くなってる。……キスマークじゃない?それ……」





冷たい風が二人の間に流れた。