俺はあの時のことを 詳しくは知らない……。 知りたいとも思わない。 でもななが、 俺に話してくれるときが来たら そのときは、ななの全部を受け止めてやる。 そして、ななを抱きしめて言ってやるんだ。 「大丈夫だよ。これからは俺が絶対守るから」 と…………。 でも俺にはもう、 その言葉を言う資格はないのかもしれない。 だって、今、目の前にいるななは、 あの時と同じ顔をした ななだからだ。