そして俺の視界に入ってきたのは、




制服が乱れて、大沢の腕の中で泣きながら震えている




ななだった………。





「なんだよ……これ。お前、ななに何したんだよ。」





大沢の兄貴に会ったのは、初めてだったけど





ななのこんな姿を見させられてしまったら





そんなのは関係なくて




気付いたら、大沢の兄貴を殴っていた。




「奏也くんッ!!」





大沢がそう叫んだが、俺には関係なかった。




「ぃったいなー……」




初めて大沢の兄貴が口を開いた。




「君…七海の彼氏じゃないんだろ?だったら出てってよ。ここ俺ん家。」





こいつに悪びれた様子など全くなくて、俺はさらに腹が立った。