ドクン………




はるちゃの家に来て
1番会いたくなかったのが



はるちゃのお兄ちゃんなのに………




どうしてこう、タイミングよく会ってしまうのだろう。





「久しぶりだな。七海。はるかに会いにきたのか?」




あたしの存在に気付いたはるちゃのお兄ちゃん
雅人(マサト)は
あたしに話しかけてきた。




「お……久しぶり…です。はるちゃ……帰ってますか??」




自分でも分かるくらい
声が震えてる。




「帰ってるよ。昼くらいに体調が悪いって帰ってきたから。はるかに会ってく??」


と雅人さんは言ったので




「ぁ……はぃ」



と答えた。





「じゃあ…どうぞ。

てかそんなにおびえないでよ。もう何もしないし。」




「……はい」




そう返事をして、久々に大沢家に入った。





「とりあえずリビングに行こうか。」





「はい」




さっきから…「はい」しか言えない自分が
本当に嫌だ。




「じゃあソファーに座って待ってて?今呼んでくるから。」





「ぁの……はるちゃ体調悪いなら、あたしが部屋行きます……」





「そう?じゃあ一緒に行こうか。」




そして2人で階段を登り、はるちゃの部屋の前に来た。




コンコン




「はるちゃ……?あたし、七海。入る……ね?」




ガチャ




そういってドアを開けると、
そこははるちゃの部屋ではなく、




雅人さんの部屋だった。





「ぇ………?!」