部活見学に行こうと思い、下駄箱に行くと
なながいたので声をかけた。




「なな?」




振り返ったななを見ると、目が涙目になっていた。




でも、何かあったのか、と聞いてみても


しっかりは答えてくれず、




ずっとななが気になったまま、今に至る。






「……ってことだけど、奏也わかった??」


といきなり聞かれ




「あ……はい。」





と慌てて先輩に返事をする。



この爽やか青年は、2コ上の風早 秋斗先輩。
同じ中学で、部活で世話になった先輩だ。


ここの部長らしい。




「うそつけ。目がどっかいってたぞ。
お前はメンタル面に出やすいからな。そういう状態で今日の練習に参加しても、
あんま意味ないと思うぞ。」



昔から先輩は人のことをよく見ていて、いたいところをいつもつかれる。





「なになに?奏也くん♪まだ七海ちゃんのことで悩んでるの??」





なぜか俺と一緒に部活見学に来ている
雄大が聞いてくる。





「え??七海も同じ学校なの?じゃあさ、絶対サッカー部のマネにしようぜ。」


目を輝かせて先輩が言う。



「はあ。」





「だって今のマネさ、いいやつなんだけど……彼氏ばっか大事にするからさ。
俺らさびしくて…。

でも七海は経験者だし、優しいし…うん。最高。
てことでよろしくな。
でとりあえず今日は帰れ。

お前ならいつ来ても
大歓迎だからさ。」



笑顔で先輩が言った。昔から強引なところも、変わってないようだ。



でもいい人に代わりはないけど。




「先輩……。先輩って気が利きますね。」




「今頃気付いたのかよ!
まあとにかく、いい状態になったら来い。
七海連れてな♪♪」




「……はい」




「で君は……今日から練習いってみようか。」




「はーい。じゃあね!奏也」




「おう」