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学校も終わり、放課後になった。
だけどはるちゃは、教室には現れなかった。
「七海〜♪途中まで一緒に帰ろう〜?」
と葉月に誘われたが、
「ごめん。あたし今日、寄るとこあるから…先帰るね?」
「そっか。わかった。じゃあ明日一緒に帰ろう?でクレープ食べて帰ろう!」
「うん。いいよ♪じゃあまた明日ね」
そう言って、あたしは葉月と教室で別れ、ひとり下駄箱に向かった。
はるちゃがあたしに何も言わずに帰るなんて……
絶対何かあるよ。
電話も繋がんないし。
本当どうしちゃったんだろ……―――。
ひとり泣きそうになっていると、
「なな?」
後ろからあたしを呼ぶ声が聞こえたので
振り返ってみると
そこには奏がいた。
「奏…」
「なな一人?てか何かあったのか?涙目じゃん。」
「あのね………、実は、……ううん。やっぱ何でもない。はるちゃは今トイレなの。
だから自転車置場で待ち合わせ!
奏、部活頑張ってね!
じゃあまた明日。」
「は。おい……なな?!」
危ない危ない。
はるちゃのこと奏に言ったりしたら
絶対心配して、部活見学行くのやめちゃう。
言わなくてよかった。