ガチャ




「おはよう。お母さん♪」




「おそよう。なな。」




「おそよう………って……なんで奏がいるのー!??」




あたしはびっくりして、
つい大きな声を出してしまった。




中野 奏也。(ナカノ ソウヤ)
あたしの幼なじみ。
そしてあたしの好きな人。なにもかもが完璧で、顔もいわゆるイケメンと言われる方。いじわるだけど優しくて、そんな奏にあたしは、昔から恋をしている。




「朝からうるさいって。ななが入学式遅刻したら、かわいそうだと思ったから、迎えに来てやったのに。」




「本当♪奏くんみたいな幼なじみが同じ高校で、よかったわ〜。ななは感謝するべきよ!」




とお母さんが言う。




「〜っっだからって…いきなり人の家に現れないでよお!」




「いーじゃん♪俺らの仲なんだし。何も隠すことなんてないじゃん。」




「〜〜〜っ奏にはなくても、あたしにはあるの!!!」




奏は本当に何もわかっていない。あたしがどんな気持ちでいるのかも、まったく。




「なな、そんなこと言ってないで、早くご飯食べなさい。本当に遅刻するわよ?」




と、時計を見てみると
もうすぐ8時になるところだった。




「や……やばーい!!最初が何でも大事なのに〜……もう奏のせいだからね!」




「はいはい。」




そう言って奏は、リビングを出て行こうとした。



「えっ……そ…奏!もう行くのっ??」




「ばーか…トイレだよ!トイレ。そんなこと気にしてないで、さっさと食べろよな。」




「はーい。」




そういってあたしは、トーストをかじった。