朝の事だった。

 今朝は珍しく、直斗は1人で登校して来た。

「あれ? 芽衣は?」

 真っ先に声をかけたのはほのかだ。
 いつもなら直斗は芽衣と一緒に教室に入って来るハズなのにとほのかは思った。

「芽衣? 知らねーよ」

(……え?)

 ほのかは感じた。
 何故か、直斗は不機嫌な顔をしているからだ。

「知らないって、どー言う事?」

「ノーコメント」