ガターン!

 椅子が動く音に2人は会話を止めて志保に振り向いた。
 ムッとした顔つきで志保が歩いて来る。

「私の事、バカにしているの?」

 一瞬、2人は互いに見やった。
 由佳が訊く。

「ふーん、聞こえてたんだ?」

「ワザと聞こえるように大きな声で言っているでしょう?」

「うん、そーだよ」

「私はそんな不器用な女のコじゃないわッ! バカにしないでよッ!」

「どーだか」と由佳は視線をあさっての方向に向けた。

「男子との付き合い方が分からないを隠して、カッコ付けてるだけだよねー?」